【まとめ】秋ジャガイモについて
栽培を機に、秋ジャガイモについて調べてみました。
(たまたま特集が組まれていた、NHKテレビテキスト 趣味の園芸やさいの時間 2012.9月号をかなり参考にしています)
まず、ジャガイモについて整理しておきます。
■ ジャガイモ
科名:ナス科
連作障害:あり(2~3年あける)
病害虫:アブラムシ、テントウムシダマシ、そうか病、疫病
比較的涼しい気候を好み、生育適温は15~24℃。
夏ジャガが一般的だが、秋ジャガも可能(収量は夏に比べてやや少なくなる)で、植え付け後涼しくなるにしたがって急激に肥大する。また、秋ジャガは植え付け後の手間はほとんどない。
最適土壌酸度はpH5.0~6.0、植え付けるにあたり、畝幅は60cm、株間は30cmとする。
なるほどなるほど。
では、いざ秋ジャガを栽培するにはどんなことに注意したらいいのでしょうか。
■ 秋ジャガ栽培のコツ
まず、秋ジャガ栽培で気をつけるポイントは以下の4つです。
1 秋作用品種を選ぶ
2 植え付け時期を守る
3 種芋は切らない
4 霜にあう前に収穫する
それでは、これらについて細かく見ていこうと思います。
1 秋作用品種を選ぶ
秋作には、一般的によく知られる男爵薯やメークインなどの品種は休眠性が長いため向かないようです。
休眠性が短く、秋作に向く品種については以下にまとめました。
■ アイユタカ
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性。ビタミンCが多い。
■ アンデス赤
皮はアントシアニンを多く含み、赤い。中は黄色。
粉質が強く、ポテトサラダに向く。
■ 普賢丸
そうか病に強い。早期肥大性。
■ アイノアカ
デジマ系統。そうか病や青枯病に強い。
味はクセがなく煮崩れしにくいので、用途を選ばない。
■ デジマ
秋作でも収量が多い。
味にクセがない。
■ 馬鈴薯農林1号
日本のジャガイモ品種として登録された第1号。
調理からデンプン用まで使用される万能品種。
■ ニシユタカ
デジマ系統。収量が多く、茎葉はコンパクト。
カレーや肉ジャガに向く。
■ キタアカリ
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性。
舌ざわりがなめらか。
2 植え付け時期を守る
しっかりとイモを収穫するためには、栽培期間を80~90日確保する必要があり、これを考慮すると植え付け適期は8月下旬から9月上旬となる。これより早いと種芋が暑さで腐敗する危険性が高く、遅いと種芋が肥大する前に降霜を迎えることになることを留意しておく必要があります。
なお、ジャガイモの発芽適温は15~20℃であり、発芽の限界温度は30℃とのこと。
上記の様々な条件を勘案すると、寒冷地では秋ジャガは難しいですね(もちろん石川県は大丈夫です)。
3 種芋は切らない
春ジャガに比べて植え付け時期の気温が高く、植え付け後腐りやすいため種芋はそのまま植えましょう。
4 霜にあう前に収穫する
11月上旬~12月上旬に初霜が降りる前に掘り出すのが理想です。
一度なら霜にあたっても耐えますが、二度以上あたるとイモが凍って傷む危険性が高まるようです。
次に、実際の栽培についてまとめました。
■ 秋ジャガの栽培
1 土づくり、植え付け
アルカリ性に弱いのでやや酸性より(Ph5.0~6.0)に土づくりします。ジャガイモはアルカリ性だとそうか病にかかりやすくなるのです(食用にしても問題はないですが見た目は悪い.....)。
植え付ける際は暑さを避けるため夕方がよいです。
種芋は切らずに丸ごと植え付け、基肥は種芋と種芋の間に置き肥します。
※置き肥はジャガイモやサトイモでよく用いる施肥法で、肥料焼けを防ぐとともに、根が伸びた先に肥料があるので効率が良いといわれています。
基肥量の目安は、種芋一個あたり牛ふん堆肥200~300g(移植ごて山盛り2杯)+化成肥料30g(ひと握り)です。
ちなみに、芽が出るまでには20~30日ほどかかるようです。焦らずに待ちましょう。
2 芽かき、追肥、土寄せ
植えつけてから20~30日後、複数の芽が出て10~15cm程度になったら芽かき(付け根からかき取る)をして1本か2本立てにします。
芽かきするときは種芋が動かないように、土を片方の手で抑えながらするとよいです。ちなみに、芽かきをしないと小さなイモしかならなくなるので、ちゃんと行いましょう。
あわせて、芽かきのときとその一ヶ月後(蕾がつく頃)に化成肥料をひと握り追肥し、株元に土寄せしましょう(一回目は10~15cm、二回目は20~30cm程度の高さになるように)。
土寄せしないと、できたイモが太陽にあたって緑色になって食べられなくなってしまいます。緑色の部分には毒があるので絶対食べてはいけません。
3 収穫
葉が黄色く枯れ始めたら収穫です。初霜が降りる前に掘り起こすのが理想です。霜が降りて茎葉がしおれてしまった場合はすみやかに掘り上げましょう。
収穫は雨の日を避け、可能であれば2~3日晴天が続いて土がよく乾いているのが理想です。土が濡れていると、収穫したイモが腐りやすくなります。
収穫するときは、
①茎葉を地際で切り取る
②株から30cmほど離れたところにスコップを入れて土ごと株を掘り起こす
(スコップでイモを切らないように注意)
③最後に地際に残った短い茎を持って引き上げる
という手順で行います。
茎からはずれたイモが土の中に残っていることがあるので、土の中も丁寧に探しましょう。
雑草対策や病害虫防除についてはほとんど触れていませんが、きっとそんなに手をかける必要はないでしょう。
今年の実際の出来を見て、また修正版(追記)を書いていこうと思います。
それでは。